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369 こでまりの花咲く寺のやさしさよ良寛禅師の眠る墓訪ふ [文芸(短歌・俳句) 時事]

 


     

     随想コラム「目を光らせて」NO.36 「朝日歌壇・朝日俳壇から」

 

        歌壇 期間 2017..2

 

  

           こでまりの花咲く寺のやさしさよ良寛禅師

 

   眠る墓訪ふ

 

     題 目:

     朝日新聞(201.5)(越前市)内藤丈子入選作。



                アオウ ヒコ

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     洋画家 青沼茜雲 の作品集から。 32. 「いにしえの夢」

          フランスサロン・・トンヌ会員

          ・ノーベルノルウエー財団認定作家     

          ・世界芸術遺産認定作家

 

         ・日展所属  

 

 

                       

       「朝日歌壇・朝日俳壇から」 

朝日新聞の歌壇・俳壇の入選作の中から最新の世相を鋭く切り取った作品

 

を新た選び、コメントを付けています。コメントは文芸上の範を超える

 

ことがあります。作品の頭に印が付いている作品は、時の政権が推進

 

る前のめり右傾化路線平和憲法を無視し、国会の存在をないがしろに

 

するさまを危惧する市民の投稿になるものです。これらの作品は、ここで

 

は個々の作品の文芸上の軽重を問うことなく、注目すべき最新の世相を凝

 

縮した作品として、そのすべてを採録しています。

 

 これらの作品に対しては、投稿者の真摯な叫びに読者の耳、素直に従

 

べしとして、コメントはつけておりません。

 

 また、文中敬称は省略しております。(筆者)

 



      朝日壇 2017

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  8月23日、伊香保温泉の帰りに「ハラ ミュージアム アーク」へ立ち寄る。

  今回 NO.369で紹介するのは広大な敷地に建つ美術館の点描です。

                                                                                                                                                                                                                   

   抱き収め君のお骨を膝に置くみどり明るき納骨への道

  

               (三島市)渕野里子

             

 これであなたとは「抱き収め」になりますね。納骨式が終われば後は

 

お墓への納骨、安置になりますからね。膝の温みはこれっきりですよ。

 

車の外を見ると、街路樹は新緑に明るく萌えていますよ。きつい病との

 

明け暮れに、よく頑張ってくれました。私も、ちょっとほっとしてまし

 

てよ。めそめそしないで、明るく生きていくつもり。

 

                                                    

みんなみへ兵の慰霊に来るたびに木彫りの像買う父だと思い

 

             (富士吉田市)萱沼勝由

 

 

 田沢湖におかえりなさい西湖より風光る日にクニマス帰る

 

                (男鹿市)三浦善隆

 

 東北のいくつもの湖では昔から魚が棲まず、これを何とかしようとす

 

る試みがそれぞれになされてきた。よく知られているのが十和田湖養魚

 

の開発者和井内貞行(18581922)によるヒメマスの養殖の成功。一方、

 

田沢湖にはクニマスが棲んでいたが湖に酸性河川水が流入して1940代に

 

絶滅。以後西湖でクニマスの生存が報道され、田沢湖への帰還運動が

 

されていたのか。

 

 どうやら、その帰還運動の実が結び、田沢湖にクニマスが戻ったよう

 

歓んでいる。その日、田沢湖の地元では「クニマスおかえり」「西湖

 

ありがとう」と歓迎一色であったようだ。

 

 

 

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避難地に移転六年閉校とふ母校のニュース訃報のごとし

 

                   (水戸市)紺野告天子

                                                              

 

リハビリの発声にふと言いてみぬ「九条守れ」と験すが如く

 

              (東京都)丸木一磨

 

                                                                           

   はつ夏の若葉かがやくバス停にスマホと同じ数の黙あり

 

              (垂水市)岩元秀人 

 

 初夏のバス停。新緑の中にバス待ちの人が集まっている。昔なら挨拶

 

や世間話に少なからず花が咲いたであろう。だが、バス待ちの客は黙し

 

たまま。手にはそれぞれスマホを持っている。

 

             

 

  辛い時悲しい時も堪えられるうれしい時は友と飲みたい

 

              (三郷市)木村義煕

 

 長いあいだの修練によって、大抵のつらさ、苦しさには他人に知らせ

 

ることもなく、堪えられるようになった。それはまかしておけである。

 

だがなあ、うれしいことができた時は心打ち解けた友人と酒を飲みなが

 

ら話したい。こんなことがあってなあ、この喜びは君にも分けたいのだ。

 

 

 

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  ゆうぐれをおいかけるうち子供らは老いと向き合う年齢となる

 

              (尼崎市)ひじり純子

 

 それは確かにそうだが、幼気な子供たちに、その事実を知らせてどう

 

なる?である。人の一生は短いことをこれまでに古今東西の学者や識者

 

が箴言を重ね、警告を発して来ている。だが、これは蛙の面に水で、い

 

つ本人がそれを感じ取るようになるかは千差万別。早く知ってどうする

遅く知ってどうなる、である。夕暮れを追いかける子供に「時の歩みは

 

早いから」と諭しても「ボクの夕暮れ追いかけっこの速さとどっち?」

 

とちゃかされるがオチであろう。

 

                   

                            

 

 四人の子あれば四人の名を呼ばむ臨命終の時の来たらば

 

             (三原市)岡田独甫

 

 誰を最初に呼ぶか、順位はどうする、程度のことを考えておられるよ

 

うだ。だが、今は四人の子が揃って同時刻に顔をそろえる可能性は低い。

 

また臨命終が来た老衰の極者が前もって考えた口頭での遺言を順序立て

 

て、その場で行いうるか」となると、甚だ疑問である。このために通常

 

作成されるのが「遺言」である。臨命終の内容を前もって盛られたし、

 

である。そうしておけば、いかに老齢極に近く呂律回らずであれど「じ

 

ゃ行くよ、さらばじゃ ありがとう」くらいは口頭でしのげるだろう。

 

 

                 

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 亡き妻のベッドをそっとふりかえる静かな静かな春の夕暮

 

             (さいたま市)阿曽義之

 

 ああ、あそこにいたんだよなあ。今はいない。でも、あそこにいたん

 

だよな。音のしない静かな春の夕暮れに、またしても、妻のベッドを見

 

ためにここを訪れては、静かに納得する。そして、出るときにそっと

 

り返る。いないのは判っているのだが、どうしても振り返る。居てく

 

れたらいいのになあ。

 

 

  的の基地からおよそ五十キロホトトギス鳴く原発予定地

 

                       光市田中 径

 

 

 弾道ミサイル落下時の行動Q&A岩国市報に挟まれ届く

 

             岩国市)木村桂子

 

 

 上空を飛行機雲が交差して共謀罪強行採決の朝

 

          (北広島市)岩瀬義丸 

 

 

 まっ先に狙われるのはほんとうのことを言う人、NOと言

 

  う人            (佐渡市)藍原秋子

 

                                                                                                                                                                            

  焼夷弾で右手を火傷せし伯母の長き戦後もホームに終る

 

               静岡市)堀田 孝

 

 

 

 

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  こでまりの花咲く寺のやさしさよ良寛禅師の眠る墓訪ふ

 

               (越前市)内藤丈子

 

 

 もうこの頃では良寛禅師のお墓詣でをする人はごくごく少なになった

 

ことだろう。だが、良寛の遺徳を偲ぼうとするひとと、まだ覚えてくだ

 

さっているとは、ほんにほんに恐縮至極とする人との交歓が白い小さな

 

こでまりの開花に誘われて。

 

 

  五限目の授業終えたりただ一人頷きくるる生徒を杖に

 

               (可児市)前川泰信

 

 余りバカ受けする授業とは縁のない教師のようだ。今日最後の授業と

 

もなれば、疲れも来るし、早くベルが鳴らないかとする生徒たちの顔が

 

チラチラする。中に一人、頷きながら真剣に授業を聞いて呉れて居る生

 

徒を杖に何とか授業を終える。

 

          

 乳牛の乳房の太さ搾らねば死ぬとう乳房のそのあたたかさ

 

              (佐世保市)近藤福代

 

 これは実際に搾乳を経験した人ではないと、わからない。これを、人

 

の手で搾れというのは実際には酷な仕事であろう。搾乳機を差し込んで

 

スイスイびゅうびゅうとやれば、みるみる乳房はちいさくなるのだろう。

 

 

 

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    もの言わぬ国民なれどもの言えぬ国になりてしまわぬ

 

  ように         (埼玉県)島村久夫

 

 

 「ちょっと来い」呼ばれて初めて分かるだろう「共謀罪」

 

  の空恐ろしさ      (鎌倉市)佐々木 眞

 

 

 歌壇欄も目を付けられておらぬかと恐るる時の来るを

 

  恐るる         (熊本市)垣野俊一郎

 

 

 あぐらかき自浄能力なくせしか森友出ても加計が出ても

 

              (千葉市)鈴木一成

 

 

 ★九条は死文となりてこの国は核に呪われ核に死すかも

             

              (銚子市)網中章夫

 

 

 国民は共謀罪で監視されマイナンバーで括られている

             

               (三郷市)木村義煕

 

 

 

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              つづく → 369-2

 

 

                                                           (2017.9.15)

 

                   

 

 

 

 


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369-2  何の咎の鰯にありやひとつらの<目刺し>に海の群青にじむ [文芸(短歌・俳句) 時事]

  随想コラム「目を光らせて」NO.36-2 「朝日歌壇・朝日俳壇から」

 

      

   何の咎の鰯にありやひとつらの<目刺し>に

 

   海の群青にじむ

 

 

 

                                                                            

       日歌壇 2017.6.19

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 *何の咎の鰯にありやひとつらの〈目刺し〉に海の群青

    にじむ  

               (宝塚市)櫂 裕子

 鰯は海中では個々に生きようとすれば、簡単に捕食されてしまうこと

 

を知っているのか、海洋では多くの仲間が集まり、巨大な塊状の集合体

 

として、上下左右に常に移動、捕捉を狙う鯨や鮫の攻撃に出会っても最

 

小の犠牲で終わるノウハウを確立している。だが、ヒトの知恵に抗しか

 

ね、鰯は塊のまま網でそっくり捕捉されて、ここに無残な眼貫ぬきの極

 

刑として天日に曝されている。そうです、鰯に何の咎がありましょうぞ。

かわいそうにね、と悼んでくれる女系のヒト一人。かの人は一串に連な

 

る目刺しの鰯連に海の群青が残っていますね、と優しげに。

 

            

 

「沖縄の平和運動が真っ先に」と共謀罪を憂ふ意見書

 

               (長野県小林正人

 

 

どうせ駄目 そう言はれてもデモへ行く集会の隅 ひとり分

 

 の声             (長野県)千葉俊彦

 

 

あの行進膝にはよくないだろうなあ北朝鮮の軍事パレード

 

               (大和郡山市)四方 護

 

 

                            

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 ロボットがときどき歩くことがあるつくばの道を行く

 

 我はヒト

             (さいたま市)大久保 歩

 

 

 日本が主として日本の理系の頭脳の精髄を集めて作った学園都市「つ

 

くば」順調に育っているようだ。当時の男女が結婚して生まれた子が双

 

親譲りならぬ超えた才能を持つことが分かって、将来が楽しみだとする

 

見方もある。つくばの道を歩いているとき、やおらロボさんが近づいて

 

きて、「筑波とつくば、どう違います?」と訊かれる日もそう遠くはな

 

い。「それはよ、あんた、かんじとひらがなのちがいよ」とでも答えよ

 

うものなら、「あんたいうんはあっしのことかいね

。ほい、ほい。あん

 

たの返事はな、それにしてもまっとうな返事にゃなっておらんがの。ま

 

あまあ、ヨカタイ。ヒトさん、またたのんまっさ」とヒトさんがロボさ

 

に凌駕されるの図。まあ、我はヒト、俺はヒトと威張りくさることは

 

いが、俺には絶対にロボさんに負けない、凌駕されぬ分野をもちたい

 

のだ。なあ、ヒトさん、どうかの? つくばの道を歩くヒトさん。

 

              

鳩が鳴き蛙が鳴きてヤギが鳴く平和なりけり鳴き声とふは

 

            前橋市)荻原葉月

 

 

 

 

 

       朝日歌壇 2017.6.26

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ゆるゆると人に近寄る戦車見つゆるゆると寄るものの

 

 こわさよ        

            (水戸市)中原千絵子

 

「国民の選んだ政治家しかいない」日本国民黙すほかなく

 

              (霧島市)久野茂樹

 

 

 

 死なせない死ねない時代たらちねの母の呼吸器はずす

 

 夜明けよ         (東京都)無京水彦

                   

 これは「後悔先に立たず」の格言そのもの。20年前に医者に「でき

 

るだけ延命させてつかわさい。」と言ったばっかりに。まさか20年も

 

いのち永らえるとは。だれにでも来る、看取りと看取られ。ここは自然

 

体のイノチへの対処をなされるが大切。その夜明けを後悔なく迎えられ

 

るように格言は喝破している。

 

 

 和太鼓をどんどんカッカと打ち鳴らす白人女性は八十歳とや

  

          (アメリカ)古田パーキンス和子

 

 日本だけじゃない、アメリカにも元気な白人女性がいますよ。体格が

 

いいものだから鳴り響いてね、和太鼓のどんどんカッカが。

 

 

 

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あったことなかったとせし歴史ありたわやすからむ書類

 

 くらいは       (水戸市)中原千絵子

 

 

 弔電を送った後に遠くまで歩いて歩いて偲び続ける

  

          (綾瀬市)小室安弘

 

 あのひとがなくなった。遠方だから、葬儀には出席ができない。こう

 

いう時、とりあえず弔電を打つ。近くの郵便局まででかけて、ありきた

 

りの文面の弔電をうつ。それから歩く。長く歩く。かの人との交友の一

 

つ一つを思い出しては、偲び続ける。あの時、こう言ったが、気を悪く

 

したのではないか、もっとはっきり謝った方がよかったなあ、など長い

 

間のことを歩いて歩いて。

 

 

 ★KYは空気を読めぬ略といふ読み過ぎたればST(忖度)

 

  となる        (村上市)鈴木正芳

 

 

 

 

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                          (2017.9.15)

 

                   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                        

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         

 

 

 

 

 

 

 

 

                   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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