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368-1  春愁や八十一のアラン・ドロン [文芸(短歌・俳句) 時事]

   随想コラム「目を光らせて」NO.368-1 「朝日歌壇・朝日俳壇から」

 

        俳壇 期間 2017.11

  

  

        春愁や八十一のアラン・ドロン

 

        題 目:朝日新聞(201鹿児島市

                青野優子氏入選作。

                      アオウ ヒコ

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洋画家 青沼茜雲 の作品集から。31
日本の古典」「雅楽舞」

 フランスサロン・・トンヌ会員

 

        ・ノーベルノルウエー財団認定作家

     

    ・世界芸術遺産認定作家

 

・日展所属    

 

                   

        「朝日歌壇・朝日俳壇から」 

 朝日新聞の歌壇・俳壇の入選作の中から最新の世相を鋭く切り取った

 

品を新た選び、コメントを付けています。コメントは文芸上の範を

 

超えることがあります。作品の頭に印が付いている作品は時の政権が

 

推進前のめり右傾化路線平和憲法を無視し、国会の存在をな

 

いがしろにするさまを危惧する市民の投稿になるものです。これらの作

 

品は、ここでは個々の作品の文芸上の軽重を問うことなく、注目すべき

 

最新の世相を凝縮した作品として、そのすべてを採録しています。

 

 これらの作品に対しては、投稿者の真摯な叫びに読者の耳、素直に従

 

べしとして、コメントはつけておりません。

 

 また、文中敬称は省略しております。(筆者)

 

 

 

 

 

        朝日俳壇 2017

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                    山歩会  T菖蒲園から

                                                                                                                                                                                                                              

  ひかへ目を己が色とし花樗    (合志市)坂田美代子             

 

 若いときから、派手に振舞うことなく、なにごとも控え目にすることに

 

努めてきた。その甲斐あって私が想うあの方とのご縁に恵まれそう。今咲

 

いているゆかしい薄紫色の花樗(はなあうち)の風情の私を好まれたよう

 

に思える。

 

                                                       

  休日はいつも変身草取り女   (福岡市)松尾康乃

 

 この句では惜しいなあ、とするのが草取り女。草刈り女とするところを

間違われて投稿されたのか。草取り女ではどこにでもはびこる雑草を身を

低くして除去する女の謂であるが、その女が休日になるといつも変身して

外に出かける必然性に欠ける。

 一方、草刈り女なら、斜面に高く生えた牧草を、下から順に刈り上げて

牧畜用の干し草ロールの原料を調達する仕事であり、男も女も草場で一緒

に作業する。雑草取りの草取り女と違って、お尻をピンと天に向けて草を

刈る姿勢はなかなかに悩ましいという。

 こちらなら、休日はいつも変身して仲間の相棒に逢いに出かけるとして

も、平仄が合い、おかしくはない。

 

                                   

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  泰山木ただ九条を念じ花     (三郷市)岡崎正宏

 

 

 九条のありて千枚の青田かな(石川県能登町)瀧上裕幸

 

                                                                           

  ピースてふ薔薇よ戦雲払へかし  (大阪市)田島もり

  

 

 原発と同居してゐる暑さかな   (川崎市)池田 功

 

 

             

 

 

 春愁や八十一のアラン・ドロン (鹿児島市)青野優子

 

 春愁(春の日の物憂い感じ。思春期の感傷的な気持ち)と辞書はいう。

 

 おりしも、外電はフランスの男優アラン・ドロンが81歳で引退する

 

ことを伝えた。彼は1935118日生まれ。8歳でのデビュー60周年

 

の引退に際して「もう歳だ!」「あまりにも長く戦うことはない」と

 

言ったと伝えられる。

 

 

 

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 彼を一躍有名にしたのは海と若者を主題にした「太陽がいっぱい」では

 

なかったか。大型帆船を舞台に世界一のハンサム主人公アラン・ドロンが

 

企んだ殺人事件。航海を終えて港に戻り、錨を上げる際に思わぬ証拠が露

 

見したのではなかったか。世界一の男優として君臨して、女優も世界一の

 

ハンサムを放っておかず、お互いの遍歴がつづいてドロンそっくりのイケ

 

メン二世が誕生している。このところ日本ではハンサムという言葉をとん

 

と聞かなくなった。代わりに聞かれるのがイケメン。ちょいとしたイケメ

 

ンはゴロゴロしている。

 

 この句、八十一歳のアラン・ドロンと作者の春愁がどう繋がるのか。

 

「あの若さ溢れる好男子に胸を焦がしてきたのに、彼はもう81歳で引退

 

ですか。私もそろそろ彼の歳に近づく。ああ、いやだいやだ。この世は物

 

憂い感傷に満たされていると言うのか。確かに「物憂い春愁がいっぱい」

 

のこの夏。

 

 

 母の日や記憶の限りははを恋ふ (相模原市)渡辺一充

 

 先国会では、森友、加計、スーダン問題などを巡って官製忖度の有無を

 

巡って激しい与野党間の論争があったが、記憶にない、書類もないなどと

 

ないない尽くしのお粗末でしたが、母の日を迎えたこの息子さんは、自分

 

の頭脳に収蔵されているあらん限りの記憶を辿って「母を恋う」としてい

 

る。奴らとはその気概が違う。

 

 

 解凍の空豆青く目覚めたり    (倉敷市)脊板義郎

 

  野菜、豆類を保存のために冷凍し、あまりその新鮮さには期待をして

 

いなかった。が解凍してびっくり、空豆の青がそのままの青で目覚めてく

 

れたではありませんか。

          



       日俳壇 2017..11

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  黒薔薇といふ赤色の極みかな   (奈良市)名和 佑

 

 わが庭にも通称「黒薔薇」が1本ある。「オクラホマ」という薫り高い

 

大輪種である。育種家が赤色同志を掛け合わせているうちに赤色が深化し

 

て黒味がかった色が発現したようだ。庭でもう40年以上も咲き続け、今

 

では幹の径も5㎝より太く、長さも10m近くにまで伸びていたが今年辺

 

り寿命が来たようだ。惜しい気持ちよりも、ご苦労さんの思いで鋸を入れ

 

た。明るい華やかな薔薇には香りが少ないから、束にするときは引き立て

 

役でもあった。「あら、いい香りだこと」と誰もが褒めてくれた

                     

 

  フクシマの離郷の民や夏寒き   川口市青柳 悠

 

 

  月光を包む黒雲沖縄忌     久喜市)利根川輝紀

 

 

  為政者の戦争ごっこ青葉冷   (霧島市)久野茂樹

                                                                                     

                                                                                         

 沖縄の返還の日なり五月闇   中津川市)大野邦洋

 

 

    戦争をせぬ国なれば白牡丹    (青森市)天童光宏

 

 

 はまなすや今日も沖には空母あり(上野原市)天野昭正

 

 

 俳諧の円座も危うし共謀罪    (横浜市)穴沢秋彦

 

 

 虫の世のアウシュヴィッツよ蟻地獄(大村市)小谷一夫

 

 

               

 

 

 新しき吾のページや更衣   (さいたま市)斎藤紀子

 

 少女期を経て、夏が来て、更衣をするまでになった。確かにこれぞ今ま

 

でとは違う、私の新しいページにちがいありません。とわが成長を祝って。

 

 

 上京の寝台列車明け易し     (諫早市)後藤耕平

 

 この時期、朝早くから明るくなり、連れて人の目覚めも早まることだが

上京のために寝台車に寝ていたとあれば、これは問題なく明け易し、であ

 

る。寝心地は良くなったとはいえ、たまには揺れたり、ブレーキが掛かっ

 

たり、警笛も鳴るだろう。安眠できる状況にはないのだから、朝の目覚め

 

はどうしても早くなる。

 

            (2017.9.1)

 

                               (つづく→ 368-2 )

 



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